バイオメカニクス
本研究分野は,生体組織のリモデリングによる機能的適応・再生過程において,細胞が力学的刺激を感知し,その情報を組織・細胞のリモデリングに結びつけるメカニズムの解明を目指している.環境の変化に対する生体の適応的な応答現象は,マクロには,生体組織の構造・機能の変化として現れるが,その理解には,細胞・分子レベルにおけるミクロな要素過程とそれらが形成するシステムとしての理解が重要となる.そこで我々は,生体の持つ「力学環境への適応性」と「構造・機能の階層性」に着目し,力学を基礎として,実験と数理モデリング・シミュレーションを統合的に組み合わせた研究を進めている.
教員
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安達 泰治 ( Taiji ADACHI )
教授(医生物学研究所)
研究テーマ
生体の持つ「力学環境への適応性」と「構造・機能の階層性」に着目し,組織・細胞の機能的適応・再生のメカニズムの解明を目指し,実験と数理モデリング・シミュレーションを統合的に組み合わせたバイオメカニクス研究を進めています.
連絡先
吉田キャンパス病院西構内 医生物学研究所 医生研1号館 2階208室
TEL: 075-751-4853
FAX: 075-751-4853
E-mail: adachi@infront
牧 功一郎 ( Koichiro MAKI )
助教(医生物学研究所)
研究テーマ
生体がもつ力学環境への適応メカニズムの理解を目指し,1分子レベルのナノ力学試験・イメージング技術を駆使したバイオメカニクス研究を進めています.
連絡先
吉田キャンパス病院西構内 医生物学研究所 医生研1号館 2階210室
TEL: 075-751-4854
FAX: 075-751-4854
E-mail: maki@infront
研究テーマ・開発の紹介
- 力学環境に応じたリモデリングによる骨の構造と機能の適応メカニズムの解明
- 連続体力学モデリングに基づく脳の形態形成過程の再現と予測
- 骨細胞の力学刺激感知における力学―生化学連成メカニズムの解明
- 多細胞組織の形態形成のin silicoモデリングとin vitro実験
- クロマチンのナノ力学動態を介した遺伝子転写メカニズムの解明
図-1 骨は周囲の力学環境の変化に応じてリモデリングを行い、外形状や内部構造を能動的に変化させる。本研究では、力学刺激に対する骨構成細胞の協調的な代謝活動が、骨組織の機能的な適応変化を引き起こす仕組みの解明を目指している。
図-2 生体組織の形態形成は、組織から細胞・分子のスケールにおける力の作用により、多階層で制御されている。本研究では、実験や計算機シミュレーション、人工ナノ・マイクロシステムを駆使して、力学的な観点から組織形態形成のメカニズム解明を目指している。